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MOEのままにDRRR!!を愛でています。 シズイザに悶絶。
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「ピンポーン、シズちゃんー、いるよね?開けてくれないの?開けてくれないならあることないこと言っちゃうからね、ご近所の皆さん平和島さんは実は…」
「あーっ、もううるさいから早く入れ!」
「お邪魔しまーす!」
笑顔を浮かべて意気揚々と家に入りこむ臨也を見て、静雄は溜息をつき怒りの沸き上がる心を落ち着けようと深呼吸を繰り返した。
家に一人でいると突然インターホンが鳴った。
誰かが家に来ることなどなく、家を知っている弟などが来るときは連絡が前もって入るので、新聞の勧誘か何かだと面倒くさいので応対せずに放っておいた。
だがインターホンを押した人物は新聞の勧誘よりもめんどくさい奴だった。
「シズちゃんー?メーター回ってるのは分かってるよ、いるんでしょー?」
その声にはよく聞き覚えがあった、ノミ蟲こと折原臨也だ。
どうしてこの家を知っているのかと聞きたいところだが、情報屋という胡散臭いことをしているのは知っているので、その情報があればすぐに分かってしまうのだろう。
関わりあいになるのが面倒なので居留守を使って放っておこうとする。
だが諦めずに臨也はインターホンを押し続けた。
「早く開けてよー」
鳴り響くインターホンの音と、近所中に聞こえる声で何かを叫ぼうとした臨也に負けて、静雄はこめかみに苛立ちによる筋を浮かばせながらドアを開けて外に立っていた臨也を部屋の中へと引きずりこんだ。
「それで、何の用だ?」
「寂しがり屋のシズちゃんと一緒に飲もうと思って!」
部屋の机の上に臨也は持っていたビニール袋を置いた。
その中には様々な酒が詰め込まれており、そのほとんどは静雄の好きな種類の酒が占めていた。
「…帰れ」
だが静雄はその誘いを拒否した。
「せっかく持ってきたのにー」
「てめえがわざわざ俺の家まで来て何かをたくらんでない保証なんてあるかよ」
「酷いオレのこと疑うんだー」
「そういうことばかりしてきたからだろ、このノミ蟲が!」
臨也が自分に接触をはかってくるときは大抵何かをたくらんでいるときだ。
それを身にしみて理解している静雄は誘いにのるまいと臨也をにらみつけた。
「…もしかして、シズちゃんって酒飲めないの?」
「は?」
「ごめん、だってシズちゃんと飲んだことないから分からなくてさー…普通に飲めると思ってたのに」
「いや…」
勝手に自分が酒が飲めないことになっている状況に静雄は不快感を示す。
それを見ながら臨也は口を開いた。
「なら水でも飲んでなよ、酒は全部オレが飲むし。持って帰るの大変だからここで飲んでいくけど…あー酒が飲めない男なんて男じゃないね」
「…上等じゃねぇか」
臨也の挑発だと分かってはいるものの静雄はそれを無視することはできなかった。
ビニールから酒を一本取り出すと一気に飲み干す。
「誰が酒飲めないって?」
「勿論男なら大酒飲みだよね、オレもどんどん飲もうー」
「負けるかよ!」
勝手に対抗意識を燃やし始めた静雄は早いペースでどんどん酒を消費し、じきに酔ったのか頬を赤らめてビール片手に机に突っ伏した。
声をかけずに放置しておくと寝息が聞こえ始め、それを見て臨也は口角をつりあげて笑った。
勿論静雄が酒を飲めることなど承知していた、なんせ静雄の好みの酒を情報収集し買っていったのは臨也なのだから。
臨也は笑みを浮かべたままゆっくりとその顔を寝ている静雄に近づけていった。
「ん…」
静雄が目覚めたときは朝だった。
多少頭が痛いあたり軽い二日酔いなのだろう。
机から顔をあげて現状を把握する。
昨日、突然家を訪ねてきた臨也に言われるがままに酒を飲み、どうやらつぶれてしまったようだ。
「臨也ー?」
部屋の中に臨也の気配はない。
大して応対もしなかったので何をしに来たのかと不思議にも思ったが、今日は仕事があるため、痛みを訴える頭をおさえて静雄は支度を始めた。
「トムさん、おはようございます」
待ち合わせ場所についた静雄は先輩でもある上司にあいさつをした。
格好はいつもと同じバーテン服に青いサングラス。
「あぁ、おはよ…?」
あいさつをし返したトムだったが、視線を静雄から離さないままかたまった。
「どうしたんですか、トムさん?」
それを不審に思い静雄は疑問を投げかけた。
するとトムは自分の首を指差しながら言った。
「キスマーク…女いたのか静雄」
「!?」
その言葉に、静雄は道にたてられた標識の横の鏡を覗き込んだ。
広い範囲が見られるように改良された鏡だったが、それは静雄の首筋にある紅い跡をくっきりと映していた。
「…トムさん、今日仕事休んでいいっすか」
「まぁ、いいけど」
「ありがとうございます」
そう言うと静雄は苛立ちの矛先を叫びながらトムに背を向けた。
「いーざーやー!新宿まで行って可愛がってやるからなぁー」
明らかに自分で手の届かない場所にあったキスマーク、つけることができた人物は一人しかいない。
静雄はポケットから煙草を取りだすと口にくわえて、ライターでそれに火をつけて吸い始めた。
「え、相手は折原臨也なの?それともハメられたとか?2人ってどういう関係…?」
新宿が破壊されるのを危惧したトムは、生まれた疑問に頭を悩ませながらも今日の仕事を一人こなしていくのだった。
終
デュラキャラの酒の強さが知りたい。
臨也は強そう、酔ったふりも上手そう。
静雄は普通だけど、周りが強すぎて弱い認識されてるとか。