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MOEのままにDRRR!!を愛でています。 シズイザに悶絶。
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「ん?」
仕事を終えて一人帰路についていた静雄はポケットの中の携帯が振動するのを感じた。
短い振動だけで動きの止まった携帯を取り出して待受画面を開く。
するとメールを一件受信しており、開いてみるとそれは弟の幽からのものだった。
「幽のやつ、どうした?」
呟きながら開いたメールには件名がなく、本文も用件だけがとても短く書かれていた。
『今どこにいる?』
そのメールに静雄は『家の近く』とだけ返信すると、再び携帯をポケットにしまった。
だがそのあとすぐに震えた携帯を再びポケットから取り出した。
『家行っていい?』
そのメールの相手は返信したばかりの幽からのもので、静雄は了承の返事をメールで送ると自分の住むマンションへと帰宅した。
平和島静雄の現在の仕事は借金の回収業だ。
上司である田中トムの用心棒として共に回収先に向かっている。
用心棒というよりは、借金を踏み倒そうとする相手に暴力をふるったり物を破壊したりするため、トムは静雄の暴力に用心しているのも事実であるが。
静雄は仕事終わりの一杯とばかりに、冷蔵庫から冷えた缶ビールを取りだすと一気に飲み干した。
喉越しに旨みを感じ、満足そうに息を吐くと飲み終えた缶を潰す。
すると玄関先のインターフォンが鳴った。
訪問客を予想しつつ静雄はドアをゆっくりと開けた。
「夜遅くにどうした?」
「ちょっと…うん」
「まぁ、あがれよ…片付けてないけどな」
ドアを開けると、先ほど連絡があった幽の姿がそこにあった。
扉が閉まると共にオートロックの鍵が音をたてて閉まる。
言われるままに靴を脱いで幽は静雄の部屋へと足を踏み入れた。
「お邪魔します」
「座れ、茶でも入れる」
「兄さん…差し入れ」
幽から渡された紙袋を覗くと、そこには様々なチーズが入っていた。
「美味しそうだな」
「好きだと思ったから…そうやってお酒飲むときにでも一緒につまんでよ」
そう言いながら幽は、台所に置かれた先ほど静雄が飲んでつぶしたビールの缶を指さした。
「おう」
チーズを紙袋ごと冷蔵庫に入れると、静雄はポットからお湯を調達し二つのマグカップにお茶を入れた。
両手にそれを持つと、幽の座るリビングのテーブルへと置く。
「冷たい方が良かったか?」
「全然、温かいのでいい」
マグカップに口をつけた幽だったが無表情のままだったので、お茶を美味しいと思ったかどうかはその表情からは読み取れなかった。
静雄も幽の隣に座ると、お茶を口にした。
まったりとした空気が流れたところで、静雄が口を開いた。
「最近忙しいだろ?」
「そこまでじゃないよ」
「栄養も睡眠もちゃんと取れよ」
「兄さんもね」
互いを気遣いあう発言を続けていたが、静雄は本題に踏み込んだ。
「それで、今日はどうしたんだ?」
「…協力してほしいことがあるんだ」
続
平和島兄弟が好きだ…。