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スパコミサンプル1

途中抜粋
↓↓↓↓


 川越街道沿いのとあるマンション。
「え、二人が一緒とか天変地異の前触れ!?さすがの僕も周章狼狽の思いだよ…!」
「いいから早くこいつ、どうにかしろ」
「あぁっ、僕とセルティの愛の巣に土足で入らないでよ静雄!」
 新羅の言葉に、一応常識をもちあわせている静雄は玄関で靴を脱いで室内にあがった。
 そしてリビングのソファに肩にかついでいたものをおろした。
「大丈夫だよ、僕は不撓不屈の精神を持っているから君達が実は仲良しで本当に仲良しだったとしても…」
「うるせえ」
「痛っ!ちょっと君のデコピンは普通の痛さじゃないんだからやめてよね!」
「早くそこのノミ蟲診てやってくれ」
「…うん、分かったよ」
 静雄の後ろで混乱しながら喋っていたた新羅は額にデコピンをくらい、痛む額を押さえながらソファのそばへ近寄った。
 闇医者をしている岸谷新羅とその同居人セルティが住むマンションの部屋に静雄は臨也を運んできていた。
 呼び鈴を押し、新羅が開けたドアを勢いよく開いて中へと押し入った。
 騒がしさに疑問を持ち、顔…デュラハンである彼女には首から上がないのだが、顔をだしたセルティは新羅と静雄のやり取りをリビングの端で見守るようにして立っていた。
「うーん、特に異常は無いよ…気絶してるみたいだから放っておけばそのうち起きるよ」
「本当か?」
「多少殴られた傷はあるけどね…これは静雄が?」
「俺じゃない」
「だろうね」
「?」
「うん、外傷は特に問題無い」
 外傷は、という言葉のイントネーションに違和感を覚えた静雄は頭に疑問符を浮かべた。
「その外傷以外に問題があるのかよ」
「僕は分からないけどね」
「は?てめえが分からないのに何でそんなことが言えるんだよ…」
「いや、セルティがさ」
 静雄は新羅が発した言葉の人物に視線をやった。
 するとにらみつけたわけではないが、セルティは突然会話に出されておどおどした様子をみせた。
「セルティはさっき仕事から帰ってきたんだけど…」
「あぁ」
「そこに君が来て僕達の甘いひと時を壊し…痛、痛い痛い!セルティ!」
 セルティは自身のまとった影を伸ばし、惚気話を始めようとする新羅の話をさえぎった。
「一応聞いておくが、それはノミ蟲の状態に関係のある話なのか?」
 新羅とセルティのやり取りを見ていた静雄が口を開くと、新羅は苦笑した。
「…まぁ、聞き流してよ」
「そうか」
「それでね…仕事先にいたんだって」
「何がだ?」
「それが…さ…」
 もったいぶるような調子でなかなか話そうとしない新羅を相手に静雄の眉間にしわが寄った。
 その怒りを見逃すことなく静雄に暴力をふるわれる前に、新羅は真面目な顔で口を開いた。
「臨也だよ」
「…イザヤだと?仕事先ってどこにいたんだ?」
 セルティが素早くPDAに文字を打ち込んで静雄に提げた。
『新宿』
「ノミ蟲の住み家かよ」
「それがさ、普通の臨也じゃなかったんだって!」
 再びもったいぶるような口調で真実をあとに隠しながら喋る新羅に苛立ちがつのったが、新羅の口がきけなくなっては真相が分からなくなってしまうと静雄は自分を静めた。
「普通じゃないって…なら何だ」
 静雄の問いに、右手の人差し指をたてて新羅は驚くべきことを口にした。
「あの折原臨也がだよ、僕達の同級生の折原臨也がだよ、…記憶喪失だったんだって」




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