忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

闇の中の光


※幼少時代


「かすかぁー、おやすみ…」
「おやすみ兄さん」
リビングでぼうっとテレビを見ていると、兄さんが先に眠りに自分の部屋に向かった。
半分まぶたが落ちた顔で眠そうにリビングを出る兄さんの背中を見る。
よっぽど眠いのか、フラフラとした足取りの兄さんが無事に部屋のベッドにたどりつけるのか少しだけ不安になった。
テレビを点けてはいるけれど、面白い番組もやっていないし俺もそろそろ寝よう。
そう思ってテレビの電源を消すと、それと同時に「うおっ!」という声が聞こえた。兄さんだ。
何かあったのだろうか…リビングからだと自分の部屋よりも手前に兄さんの部屋がある。
少し様子を見てみようと、誰もいないリビングの電気を消して廊下に出た。

コンコン。
兄さんの部屋のドアを叩く。
だけど何の返事もなかった。
ついさっき驚いた声をあげておきながら、もう寝てしまったのだろうか。
気になって部屋のドアを開けると、廊下の人工的な明かりが部屋の中に差し込んだ。
そして布団がこすれあう音がする。
「兄さん?」
起きているようだが声を発しない兄さんに声をかける。
「幽…か?」
「うん」
「…っ、びっくりした」
布団をかぶっていた兄さんが顔だけを外に覗かせた。
廊下の電気が兄さんの瞳で反射して、暗闇の中2つの水晶玉がキラリと輝いているようだった。
「どうしたの?」
「いや…何でもないんだ」
そう言うと兄さんは再び布団にもぐってしまった。
兄さんは理由を教えてくれないけど、俺にはなんとなく察しがついていた。
「この部屋暗いね」
「!」
兄さんは寝るときに、照明の豆電球の光だけを点けたまま寝る。
でも今は部屋全体が闇に包まれている。
「電球切れたの?」
「ああ」
「ふーん…」
思うことはいろいろあるけれど、口にしない方が兄さんのためだって分かってる。
きっと真っ暗闇の中で寝ることに慣れてなくて心細かったり、怖かったりという感情が渦巻いているのだろう。
「ちょっ、幽!?」
ベッドに近付くと、布団の中に入って兄さんの隣に寝転んだ。
驚きながらも追い出すことはせず、兄さんは壁際に身を寄せてくれる。
「今日兄さんと一緒に寝る」
「え…?」
「おやすみ」
目をつぶると眠気がどっと押し寄せてきた。
そのまま意識は睡眠の世界へと引き寄せられる。
「…ありがとな、幽」
自分の思惑はすっかり兄さんにバレてしまっているようだ。
どういたしまして、と言うかわりに兄さんに寄り添った。
ドアも開けておいたから廊下からの光で部屋は真っ暗闇ではない。
俺が一緒に寝るだけでなく、それでも兄さんの寂しさが紛らわせているはず。
…でも寂しいのは普段の俺が感じていることかもしれない…暗闇の中でも感じられる兄さんのあたたかさがとても心地良かった。



 

サイトで幽静書いたのは初めてです。
幽視点…で書けたかな?
私の部屋の電気が壊れたのでそれを妄想に変換してみました(現実逃避)…しかし私の部屋の場合は完全に照明がつかないあたり生活に支障が\(^_^)/
平和島兄弟美味しいです。

拍手[0回]

PR

カレンダー

05 2026/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

 

カテゴリー

 

フリーエリア

 

最新CM

[05/03 mika]
[05/01 あつあげがんも]
[03/17 田中太郎さん?]
[02/28 あつあげがんも]

 

最新記事

(02/22)

 

最新TB

 

プロフィール

HN:
mai
性別:
女性
自己紹介:
DRRR!!にハマって文字書いたり落書きしたり…。
シズイザが正義すぎてヤバい。
原作は8巻まで読破。

 

バーコード

 

ブログ内検索

 

アーカイブ

 

最古記事

 

P R

 

アクセス解析

 

アクセス解析

 

アクセス解析

 

カウンター