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K家の食卓


※新羅視点でシズイザ
※来神時代

 

「あいつは本当の愛が解っていない」

久々に会った父親をリビングに招き入れて、近況を話す。
とはいっても僕の周りの出来事は、毎日一緒に過ごしている愛するセルティのことか、高校で仲の良いお互いに犬猿の仲の静雄と臨也のことくらいしかない。
「折原君がかい?もしかしたら親の愛情を受けないで育ってきたからかもしれないぞ」
「いや、臨也のはそんなんじゃないよ。人ラブ、とか言っておいて結局何も分かっちゃいないんだ」
「そうか」
「僕を見習った方がいいと思うよ…こんなにもセルティのこと愛している僕のことを」
「そのセルティは昨日から帰っていないと聞いたんだが」
悲しくなるようなことを言う父親をじとりと睨む。
だがガスマスクでその表情はあまり読めない。
セルティの表情は逐一分かるのにな…これも愛の差ってやつかな。
「仕事が片付いてないんだよ、だからそろそろ戻ってくるさ」
「ならもう少し待つことにするか、コーヒーおかわり」
「いや、セルティと僕の愛の巣を邪魔しないで!帰って!」
僕にコーヒーのおかわりを淹れる気がないのを悟ると、自分でコーヒーを淹れようと立ちあがってキッチンに向かった。
だがその白衣の背中をぐいぐいと押して玄関へと向かわせる。
「むっ、何をするんだ」
「いってらっしゃい」
「いつの間にこんなに力が強くなったんだ…子供のその成長嬉しいぞー」
ドアの鍵を開けると、そのまま外に父親を押しだして、靴も玄関の外に投げた。
「親父がいるとセルティが悲しそうな顔をするんだ、だから会わないで」
それとほんの少しの独占欲。
実の父親に嫉妬にも似た心を抱くなんて僕はどうかしているのかもしれない。
「新羅…一つ教えてやろう」
「何?」
「先ほど折原君について言っていたが、友達なのだろう?彼に本当の愛を教えてあげればいいだろう、友達として協力してあげなさい」
その言葉に少しだけ考え込んだ。
友達という大義名分で、人の心に干渉するような真似をしていいのだろうか。
でも臨也を矯正するにはいい案かもしれない、彼はもう少し人間らしい感性を身につけてもいいはずだ。
「悪くないね」
「だろう?私をあがめてくれていいんだぞ」
「はぁ…」
「なら友達としてとるべき行動を話しあおう、家に入るぞー。あ、ミルクつきでコーヒーを用意してくれ…」
バタンッ。
玄関のドアを勢いよく閉めて鍵をかけた。念のためチェーンも。
自分の父親ながら、その不撓不屈の精神は凄いと思うけれど、せっかく追いだしたのにまた理由をつけて入ってこられてはかなわない。
ノックの音がしばらくしていたけれど、諦めたのか親父は姿を消した。
「セルティ帰ってこないかなー」
そう呟きながら、先ほどの提案を頭に浮かべる。
「臨也に本当の愛を教える…楽しそうだ!」
雅俗混交ともいえる臨也を矯正するのはとても大変だろう。
だからこそ面白い。
今の僕は新しい玩具を見つけて興味津々で目を輝かせている子供みたいに見えることだろう。
玄関で物音がしたことで同居人の帰りを察知し、テンション高くセルティを出迎えに行った。


翌日。
「臨也。君さ…恋人作りなよ」
クラスメイトに会った瞬間そう話しかける僕って変だろうか。
「おはよう新羅…で、どうしたの?」
案の定、臨也に怪訝そうな顔をされてしまった。
「人を愛するあまり、人を傷つけるようなことばかりをする臨也に本当の愛を知ってもらおうと思って」
「…聞くけど、本当の愛って何?恋人作ったら分かるものなの?」
やはり一筋縄ではいかないか…そのとき、大あくびをしながら教室に入ってきた静雄が視界の隅にうつった。
「静雄!」
名前を呼ぶと目をこすりながらこちらに歩いてくる。
「おはよー…って、ノミ蟲」
そこで静雄の意識は覚醒したらしい。
あんなに眠そうにしていたのに、途端に目を鋭くした。
「げ、シズちゃん…何で呼ぶんだよ新羅」
「何か用か?ノミ蟲は消えろ」
「先に新羅と話してたのは俺だよ」
目の前で言い争いが始まってしまった。
だがふと思った。
この二人の間の空気…悪くない。
「あ!」
頭に浮かんだ名案に、思わず声が漏れる。
だが突然声をあげて目を爛々と輝かせる僕に刺さったのは臨也と静雄からの痛い視線だった。
「突然声あげてどうしたの?」
「何だ?」
二人の意識が僕に向いたのを丁度いいことに、臨也に本当の愛を教える解決策を口にした。
「そんなに二人仲がいいんだもん…臨也は静雄のこと恋人にしなよ」
我ながらこれは名案だ。
しかし、変わり者の臨也の了承はとれたとしても、巻き込まれる静雄はたまったものではないだろう。
静雄の怒声と鉄拳が飛んでくる前にそれを回避しようと言葉を続けた。
「なんてね、冗談だから本気にしないでー…ん…?」
常人とは違う痛すぎる静雄のデコピンの一発くらいは予想していたが、その静雄は動く気配を見せない。
目を見開いてその場に立ち止まっている。
「静雄ってば何固まってるんだい…ねぇ臨也?」
同意を求めて臨也に話を振るも、その臨也も反応が無い。
見ると静雄と同じように目を見開いて固まっていた。
そして二人を観察すると、二人ともの顔が赤くなっていくのが分かる。
「え、どうしたの?どうしちゃったの二人とも?突然風邪でもひいた!?」
だが少しの可能性も考えて悪乗りもしてみる。
「もし照れてるなら本当に付き合っちゃいなysdfghjk…」
…今度はハッとして動いた静雄の指が伸びてきたかと思うと、頬にデコピンをくらった。
「バカなこと言ってんじゃねぇよ!」
「そうだよー、まさか新羅がそこまでバカだとは思わなかったよ」
痛む頬を押さえながら衝撃でずれた眼鏡をかけ直すと、先ほどまで停止していた臨也がこちらを見てニヤついているのが目に入る。

一瞬の間をおいて動き始めた二人だが、何度見ても目の前の二人の頬は赤く染まったままで、臨也に本当の愛を教えてあげる活動は、僕の知らない病名にかかった二人が治ってからにしようとHR開始のチャイムを聞きながら思った。


 

 

実は隠れて付き合ってたとかでも萌える。
定まっていない彼等の名前の呼び方に困る…。
途中で放置されてた小説に加筆してみた。
原作3巻の一言でこんな妄想が生まれるなんて驚愕。
昔の自分が何を書きたかったのか分からないのでこんなことになった…。すみませんでした。


 

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mai
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女性
自己紹介:
DRRR!!にハマって文字書いたり落書きしたり…。
シズイザが正義すぎてヤバい。
原作は8巻まで読破。

 

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